文部科学省により令和3年1月31日~2月28日に実施された全国学生調査(第2回試行実施)の結果(速報)を取りまとめました。

1.趣旨目的
 「全国学生調査」は、「学修者本位の教育への転換」を目指す取組の一環として、全国共通の質問項目により、学生目線から大学教育や学びの実態を把握し、大学の教育改善や国の政策立案など、大学・国の双方において様々な用途に活用しようとするものです。
 令和元年度は、初回の調査として適切な調査方法や質問項目などを整理・検証することを目的に、試行という位置付けで実施されました。
 令和3年度は、初回調査の結果を踏まえた有識者会議による議論に基づき、対象を大学の学部に在籍する2年生及び最終学年生、短期大学の学科に在籍する最終学年生に拡大し、本格実施に向けてより大規模な試行調査を実施されたものです。

2.調査内容
(1)調査対象
 試行実施に参加意向のあった733大学※1 に在籍する学部2年生及び4年生※2(100万人以上)

(2)調査方法
 インターネット(WEB)調査(スマートフォンでも回答可能)

(3)質問項目
 大学で受けた授業の状況、大学での経験とその有用さ、授業期間中の平均的な1週間の生活時間、知識や能力を身に付けるために大学教育は役に立っているか等、全60問(その他、自由記述(任意)2問)

(参考)文部科学省 報道発表資料(第1回試行調査)
  https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/chousa/1421136.htm
  [トップ > 教育 > 大学・大学院、専門教育 > 全国学生調査]

(学内集計結果)

学部別回答状況

参考) 文科省の集計基準
対象学部・学年の学生数が
「 60 人以上 80 人未満のとき、有効回答者数 30 人以上」
「 80 人以上 200 人未満のとき、有効回答者数 40 人以上」
「 200 人以上 600 人未満のとき、有効回答者数 50 人以上」
「 600 人以上 のとき、有効回答者数 60 人以上」
又は「 60 人未満 のとき、有効回答率 50 %以上」

・全体的には、2年生と4年生で回答(平均値)の差はそれほど無い。
・令和3年度はコロナ禍ということもあり、総じて「授業相談」や「カウンセリング」の経験がない学生が多かった。
 ・特に2年生がほかの学生と一緒に学習する機会が少なかったと回答
 ・Q26大学の施設利用についても2割以上の学生が利用していないと回答。

・問2(Q14~Q26)の体験を伴うものについて「経験がない」と回答する学生が多かったが、利用した経験がある学生の満足度は高かった。

・問3(Q27~Q38)大学教育を通じて身に付いた知識に関する項目は、2年生に比べ4年生のほうが平均値が高かった。

・問4(Q39~Q46)大学での学び全体を振り返る設問は概ね平均値が高い。(Q41 を除く)

・問6(Q55~Q56)令和3年度の授業期間中にキャンパスへ通った日数は、2年生は分系・理系の差はあまりないが、4年生は理系学生のほうが多い。

・問7・8(Q57~Q60) オンライン授業の受講に関する設問
 ・2年生は1~2年の間オンデマンド授業を中心に受講している。
 ・4年生は3年次はオンデマンドが主に、4年次は双方向性の授業受講割合が多いが、ゼミ等のためか9割以上同時双方向性と回答している学生もいる。
 ・同時双方向型とオンデマンド型を比較すると、オンデマンド型の方が通信の影響も少なく、授業が理解しやすい一方で課題の多さに不満がみられる。

・自由記述欄(大学に対する主な意見)
 ・課題に対するフィードバックがほしい。
 ・オンライン授業は良い点は多いが課題が多すぎる。
 ・対面授業を増やしてほしい(オンデマンドはスケジュール管理が大変・友人ができない)
 ・大学のネット環境・システム・授業料に関する不満
 ・オンデマンド動画の使いまわしが不満
 ・教員のスキルや熱意の差に関する意見